住宅の一次エネルギー消費量を計算するにあたって、単に機種(空調や給湯)を省エネ効果の高いものに変える方法が一般的ですが、空調に関しては「通風効果」を考慮に入れることもできます。
「通風効果」とは、ある部屋の窓やドア(ストッパー付)を開けた時の風の通り道を考えることです。
簡単に説明すると、一つの部屋に対して2つの開口部があれば、開口面積と部屋面積に応じて、通風効果を計算に含めて良いということで、涼を得るために、空調機を使わず開口します、というある意味最も省エネ的な計算ができるわけです。
ところが実際に計算してみますと、大きな効果が見られるのは広い住戸のLDK等、大きな空間を上手に通風した場合のみです。広い住戸は多くの場合、一次エネルギー消費量では有利になりやすいのが残念なところです。1ルームなど一次エネルギー消費で厳しくなりやすい住戸タイプでは、逆に(大きな床面積が得られにくいため)通風効果がほとんど感じられません。
昔ながらの古民家のように、縁側があって開口すれば風が通り抜ける、あのような住宅を思い浮かべると、省エネ計算で通風効果が入ったことは大変興味深いと感じます。