省エネに効果的な熱交換システムでも寒い？

省エネ高断熱住宅においても冬場の換気は（換気量によっては）【かなり】の熱が奪われてしまいます。そこで、第3種ではなく第1種換気システムを採用するのは合理的ですよね。要するにロスナイを設置して熱を保持しようという考えです。でも、注意しないと不快な風になりかねない。。。というお話です。

第3種換気は自然給気口なので風量は調整できる

自然給気の場合、（簡単に言えば）穴さえ開いていれば良いわけです。第3種換気は排気のみなので、家から排気するのと同じ量が勝手に給気されるというシステムです。

それで、給気口は複数開けることが多いわけですが、そうすると各穴からの給気量は分散されます。分散されるということは、風量（強さ）が調整できるわけです。

ところが、第1種換気の場合は給気口が一箇所に集中することも考えられます。当然、給気の出口が狭くなるので風量が多くなるのです。

吹出口の風量が多いと、強い風が吹く場所ができてしまいます。建築主の家具の配置によっては、ソファーに座ったところに直接風が吹いてしまい不快に感じるというケースも見受けられるようです。

単なる第1種換気であれば、直接外気が吹くことになるので外気温が下がる冬場は最悪の状態になることは容易に理解できます。ところが、これがロスナイを使った場合でも、同じ現象が起こるようです。つまり温かい空気であっても、不快感を招くケースが出ているということです。

どういう意味でしょうか？つまり、部屋の温度より低い温度の風であれば、不快感が生じるという意味です。たとえ、熱交換をした空気でも、部屋の温度と全く同じ（暖房の風と同じ）ではありません。ここがポイントです。

冷房の風って何℃かご存知でしょうか？実は-7℃です。この-7℃というのは、部屋の温度-7℃です。クーラーって常時同じ温度の冷気が吹いているのではないんですね。部屋の温度-7℃を続けることで部屋の温度を下げていく仕組みらしいのです。

さて、第1種換気システム（熱交換）の吹き出し温度が16℃だとします。部屋の温度は20-22℃ぐらいでしょう。するとその差は、部屋の温度-5℃！決して温かい風ではないわけですね。部屋の中の温度と5度も違ってきますと、体感では不快に感じることもありえます。

熱交換システムを採用して第1種換気をする場合、第3種よりも省エネ対策されています。けれども、吹き出し口の風量と設置場所を考えないと思わぬクレームが出る可能性があるようです。

住宅の換気量は24時間換気ですから、それほど大きくないようにも思います。しかしリビングが大きかったり、各部屋の換気を一箇所でまとめる場合もあります。そうすると、給気口が絞られることによる弊害が起こってしまうわけです。