戸建ての約半数で省エネ実践

”戸建て住宅の約半数が何らかの省エネ対策をしている”との調査結果がでている。(リビン・テクロノジーズ実施・日経BP社報告)戸建て住宅の所有者47.1%が何らかの省エネ対策をしていると回答したのに対し、集合住宅の所有者は21.2%にとどまったとのこと。

”何らかの省エネ対策”の内訳としてはLED照明(76.4%)、二重窓(40.4%)、節水シャワーヘッド(36.0%)。

LED照明は白熱電灯に比べて消費電力が1/6(マイナス83%)になるが、実際のところ大きな面積の部屋には蛍光灯(消費電力1/5)が設置されることが多かった近年からすれば、電気代が1/6(マイナス83%)になるわけではない。トイレや廊下などの非居室をごっそりLEDに変更した場合でも、体感としては30%~40%カットぐらいではないだろうか。

近年のLED照明機器の値下がりにより、ランニングコストを考えた場合にLED照明にするメリットが大きくなったのも事実。そして、LED照明は戸建て住宅に限らず集合住宅でも積極的に取り入れられている。

省エネに関心があるのは戸建て住宅所有者

設計から関わったか、建売だったかは不明だが、前述の調査では戸建て住宅の所有者の方が、省エネに関心が高いことを示している。

集合住宅とは異なり、建築主=住民となりやすい戸建住宅では、こうした月々の家計に関係する設備料金(ランニングコスト)を踏まえて設計されたり、プレゼンされたりするのは容易に想像できる。

そうした”目に見える家計”に関する要望に、省エネ計算された住宅は答えやすい。また販売側も省エネのメリットを強調できる。

どちらも省エネ効果が期待できる

ただし、集合住宅に省エネ効果が十分に期待できる。木造やRC造などの構造に関わりなく、基本的な集合住宅の造りとして、お隣さんが戸境壁によりつながっているケースが多い。

戸境壁は外気に触れる外壁よりも熱損失がマイナス85%。例えるなら、北極で体を寄せ合い暖を取る皇帝ペンギンを思い浮かべると良い。皇帝ペンギンも1匹では四方八方から熱を奪われてしまうが、仲間同士が体を寄せ合うことで、熱損失を軽減できている。同じように、戸建住宅は四方が外気にさらされているが、集合住宅はお隣通し背中を寄せ合い、熱損失を軽減できるというメリットをアドバンテージとして持っている。

また、2000㎡を超える集合住宅(多くの集合住宅が該当)は省エネ基準を元に省エネ計算がされており、設計段階で基本的な省エネがほどこされているといってよい。対して戸建て住宅は、そうした省エネ基準が元々ないために省エネに関してはピンキリとなりやすい。

よって、戸建て住宅を購入した人が、自らの人生の場となる家に関して省エネ効果を確かめるのは、今はむしろ”抑えて置くべきオプション”であるのに対して、集合住宅では”基本セットメニュー”といったところか。

aoyama3.com(ライトサン)では戸建て住宅の省エネ計算も、集合住宅の省エネ計算も代行いたします。実施設計に関する部材などもお気軽にご相談ください。