屋根は外断熱仕様である省エネ住宅が多いようです。

ところが省エネ基準上、「内断熱屋根+内断熱壁」という構成なら屋根-外壁の熱橋部がカットできるため効果があります。どの程度効果があるのか、実際的な住宅を使って検証してみました。

条件:

(外・内)屋根断熱材:硬質ウレタンフォーム2種3号@50

最上階妻側:60㎡ (2LDK) 壁は内断熱(硬質ウレタン吹付)

A:屋根内断熱

B1:屋根外断熱+梁断熱

B2:屋根外断熱+梁断熱+450mm補強

B3:屋根外断熱+梁断熱なし

 

結果: 外皮熱損失量(住戸全体)

A: 166.2W/K 基本×91.0%

B1: 182.8W/K 基本

B2: 172.9W/K 基本×94.6%

B3: 212.7W/K 基本×116.3%

 

外壁の室内側にでてくる梁を断熱することは一般的であるため、B3の116.3%とというのは現実的ではありませんが、屋根熱橋部補強を行ったB2よりも、屋根内断熱工法の方が効果があり、基本と比較して住戸全体熱損失を10%もカット出来るようです。

あくまで省エネ計算上の考え方になりますので、屋根内断熱にした弊害が他に出てくるかもしれませんが、省エネ基準をクリアするにあたっての、一つの選択肢としては考慮に値すると思います。